床暖房設置ではZEH基準クリアは難しいですか?

床暖房は

  • 足元から暖めるため、部屋全体を均一に暖めることができる
  • 火を使わないので、子供やペットにも安心
  • 水蒸気が発生せず、健康に悪影響を与えるダニ・カビが発生する心配が少ない
  • エアコンやファンヒーターのように風が出ないので、ホコリやチリを舞いあげることがない
  • 暖房器具を床下に設置するので、居室スペースがすっきりする

などのメリットがあるため、希望されるお施主様がいらっしゃる場合、
ビルダー様が心配されるのは、一次エネルギー消費量の計算をする際に、床暖房を設置するとZEH基準(BEI値0.80以下)をクリアするのは難しいのではないかということです。

確かに、床暖房はエアコンに比べて一次エネルギー消費量が増えます。
弊社で、LDK(主たる居室)に床暖房を設置した10軒の一次エネルギー消費量を見たところ、10軒中6軒が暖房設備の設計一次エネルギー消費量が基準一次エネルギーを上回っていました。
つまり、暖房設備については省エネではなく増エネになってしまっていたということです。
しかし、増エネになった6軒の内、4軒がBEI値0.80以下とZEH基準をクリアしました。
(残る2軒は省エネ基準には適合)

床暖房を設置する際のポイント

  • LDK(主たる居室)を暖房する場合、その床面積空間を暖房する計算となるため、面積が大きいほど、暖房の消費エネルギーは増えることになります。
    床暖房の場合は主たる居室面積に対して、どのくらいの面積を床暖房にするのか(床暖房パネルの敷設面積)から算出する「敷設率」と「上面放熱率(床の断熱)」が計算根拠となります。
    「敷設率」「上面放熱率(床の断熱)」ともに数値が大きいほど有利となります。
    「敷設率」 ⇒ 床暖房パネルを施工する面積はLDK面積に対してできるだけ多く施工する
    「上面放熱率(床の断熱)」 ⇒ 床の断熱材は熱伝導率の小さい(断熱性能の良い)ものにする
  • 給湯器は、ハイブリッド給湯器と温水床暖房が一体となった、給湯・温水暖房一体型の床暖房設備を導入することで、省エネ性能を高くすることができます。
    また、一体型ではなく、温水暖房専用型を導入する場合は「電気ヒートポンプ温水暖房機(フロン系冷媒)」 が比較的省エネ性能が良いものとなります。この場合の給湯機は「電気ヒートポンプ給湯機」(エコキュート)が比較的省エネ性能が良いものとなります。
注意点
  • 吹抜け、リビング階段などがLDKと空間的につながっている場合は、主たる居室として面積加算されるので、より広範囲を床暖房にすることが必要となるので注意してください。
  • 暖房設備として床暖房とエアコンの両方を設置する場合、一次エネルギー消費量の計算ではよりエネルギー消費量が大きい設備器具を選択とする事になっているので、床暖房のエネルギーを暖房設備のエネルギーとして計算する事になります。
    (どちらをメインで使用するかという判断ではありません。)
  • 寒い地域(地域区分4以下)に立地する住宅は、暖房の消費エネルギーが大きくなるため、床暖房の設置には注意が必要です。
    富山県全域は地域区分5となります。

ミガキにお任せください

床暖房を設置するからといって、ZEH基準をクリアできないことはありません。
弊社ではZEH基準クリアのためのご提案もさせていただきます。
お施主様のご希望に添った、快適なお家づくりのお手伝いができればこんなにうれしいことはありません。