富山型ウェルビーイング住宅(仮称)の素案が発表

富山県では「幸せ人口1000万 ウェルビーイング先進地域」を掲げ、独自指標を公開するなど、他の自治体に先駆けて斬新な施策を進めています。
そのひとつとして検討されているのが、「富山型ウェルビーイング住宅(仮称)」です。

「健康」
「カーボンニュートラル(脱炭素)」
「安心・安全」
「富山らしさ」

などに関する基準や条件を策定し、ウェルビーイングの視点を住宅の在り方に反映させるもので、それを満たす住宅を「富山型ウェルビーイング住宅」と定める計画です。

5月31日の検討委員会で性能水準の素案を提示

「健康」 ⇒ 断熱性能、気密性能(数値が低いほど高性能)を高めて、ヒートショックを防ぐ
「カーボンニュートラル(脱炭素)」 ⇒ 一次エネルギー消費量の削減、再生可能エネルギー(太陽光発電)の利用し、エネルギー消費量を低減する
「安心・安全」 ⇒ 耐震性能を高める
「富山らしさ」 ⇒ 県産材を利用する

「富山型ウェルビーイング住宅」は省エネ性能や耐震性能に応じ「標準」「推奨」「チャレンジ」の3段階のレベルを設定されるようです。
断熱性能(UA値)を見ると、ZEH基準を上回る、HEAT20が提案するG1(0.48)、G2(0.34)、G3(0.23)の基準が採用されています。

弊社ではこれまで約150件の戸建住宅の断熱計算をしておりますが、その中でUA値が0.48以下だった住宅は40件程度です。
また、0.34以下は数件で、0.23以下となるとまだお目にかかったことはありません。
一番断熱性能が良かった住宅で、UA値0.25でした。

「富山型ウェルビーイング住宅」「推奨」「チャレンジ」を目指すには、断熱方法、断熱材の種類や厚み、サッシの性能などを見直すことが必要になるビルダー様も多いかと思います。
また、太陽光発電を設置し、更に配慮項目も2項目以上を選択しなければなりません。
基準に適合する住宅に助成金が支給される制度が創設されるとして、快適性と建設費用と助成金のバランスが気になるところです。

付け足しですが、住宅の「レジリエンス性能」ってわかりますか?
建物のレジリエンス性能と言った場合は建物の強度(耐震性)だけではなく、被災を前提とし、建物の性能をできるだけ落とさずに保つ「抵抗力」とその復旧をいかに早めるかというと「回復力」の両方を兼ね揃えることがレジリエンスの考え方という説明がありました。
(ネットで調べましたが、いろいろな説明があり分かり難い言葉という印象があります。)
「富山型ウェルビーイング住宅」の基本項目にレジリエンス性能とありますが、指標が耐震等級だけであれば、「耐震性能」とした方が分かりやすいのではないでしょうか?

最終案は今秋にも策定される予定です。