【2026年新制度】みらいエコ住宅2026事業を徹底解説
― 富山の多雪地域でも使いやすい省エネ住宅補助制度 ―
令和7年11月28日、政府は「住宅の省エネ化への支援強化」に関する予算案を閣議決定し、新たに 「みらいエコ住宅2026事業」創設しました。
この制度は、
新築住宅・既存住宅の省エネ性能向上を国が強力に後押しするもので、
工務店にとっては「提案力を高める武器」、
住宅取得者にとっては「数十万円〜百万円超の補助が受けられる重要制度」です。
みらいエコ住宅2026事業について(国交省)

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1. みらいエコ住宅2026事業とは?
「みらいエコ住宅2026事業」は、
2050年カーボンニュートラルの実現を見据え、住宅分野の省エネ性能を一段引き上げるための国の補助制度です。
制度の狙い
- 高断熱・高効率設備の普及
- エネルギー消費量の削減
- 光熱費負担の軽減
- 良質な住宅ストックの形成
これまでの「こどもエコすまい支援事業」等を発展させ、より高性能な住宅ほど補助が厚くなる設計になっています。
2. 【新築】補助の中心は「GX志向型住宅」(すべての世帯向け)
GX志向型住宅とは?
GX(グリーントランスフォーメーション)の考え方を住宅に落とし込んだ、トップレベルの省エネ性能を持つ住宅です。
補助額
- 110万円/戸
※地域区分1〜4(寒冷地等)では 125万円/戸
※富山県全域は地域区分5
主な要件
- 断熱等性能等級 6以上(富山県 UA値0.46以下)
- 一次エネルギー消費量削減率
・再生可能エネルギーを除く:35%以上
・再生可能エネルギーを含む:100%以上 - HEMS等の高度エネルギーマネジメント導入
3. 【重要】富山県(多雪地域)での特例ポイント
ここが 富山の工務店・住宅取得者にとって最大の要点です。
GX志向型住宅でも再エネ設備は「必須ではありません」
GX志向型住宅では原則、
太陽光発電等の再生可能エネルギー設備が求められますが、多雪地域では例外扱いとなります。
なぜ?
- 積雪により太陽光発電の年間発電量が不安定
- 屋根荷重・落雪リスクへの配慮が必要
- 維持管理上の課題
これらを考慮し、
富山県のような多雪地域では「再エネ設備なし」でもGX志向型住宅として補助対象になります。
つまり富山では、
「高断熱・高効率設備・エネルギー管理」を重視した設計で、110万円補助が狙えるということです。
富山県のGX志向型住宅では再エネ設備の代わりに、より重視されるのは、
- 断熱性能の強化(UA値の低減)
- 熱損失の少ない躯体設計
- 高効率給湯・空調等の採用
- 一次エネルギー消費量の削減実績
これらは「雪国に合った、堅実な省エネ住宅」が正当に評価される制度設計です。
富山県にとって、かなり現実的で良心的な内容だといえます。
4. 子育て世帯・若者夫婦向け住宅の補助
GX志向型住宅以外にも、従来型の省エネ住宅への補助があります。
| 住宅区分 | 補助額 |
|---|---|
| 長期優良住宅 | 75万円(古家の除却あり:95万円) |
| ZEH水準住宅 | 35万円(古家の除却あり:55万円) |
主な要件
- 断熱等性能等級 5以上(富山県 UA値0.60以下)
- 一次エネルギー消費量削減率 再生可能エネルギーを除く:20%以上
- 子育て世帯・若者夫婦世帯が対象
5. 【リフォーム】既存住宅の省エネ改修も手厚く支援
みらいエコ住宅2026事業は 新築だけの制度ではありません。
省エネ性能向上リフォーム例
- 断熱改修(外皮性能向上)
- 窓・開口部の高断熱化
- 高効率設備への更新
- バリアフリー改修との併用
補助額の目安
- 旧耐震・旧省エネ基準住宅(平成4年基準未満)→ 最大100万円/戸
- 平成11年基準未満 → 最大80万円/戸
中古住宅市場・リノベーションとの相性も良い制度です。
6. 3省連携で「重ね取り」が可能
本事業は、次の補助制度と併用可能です。
- 高断熱窓改修支援(環境省)
- 高効率給湯器導入支援(経産省・寒冷地加算あり)
- 賃貸住宅向け省エネ設備更新支援
新築・リフォーム・設備更新まで、ほぼ切れ目なく補助が用意されているのが特徴です。
7. 工務店様・施主様が押さえるべき実務ポイント
- 補助対象は 基礎工事着手後
- 予算には上限あり(早期終了の可能性あり)
- 設計段階で性能要件を満たすことが必須
- 断熱・設備仕様の検討は早めに
制度を知らずに進めると、
「性能は足りているのに補助が取れない」という、よくある失敗になります。
8.ミガキができること
株式会社ミガキは、
- 建築確認申請の代行
- 補助金制度を見据えた事前検討
- 省エネ計算(外皮・一次エネ)
- 住宅性能評価の申請サポート
を専門としています。
設計者ではありませんが、工務店様が安全に前へ進むための黒子として、実務をサポートいたします。
まとめ|富山でこそ活用したい省エネ住宅補助
- 最大 110万円超 の補助が受けられる新制度
- 富山の多雪地域では 再エネ必須ではない
- 高断熱・高効率設備重視の設計がカギ
- 新築・リフォーム双方で活用可能
省エネ性能は、
これからの住宅の「最低条件」になりつつあります。補助制度を正しく理解し、
「性能 × 補助 × 安心」の住宅づくりを進めていきましょう。
