木杭による住宅地盤補強工事の見学

木杭による住宅地盤補強工事(施工:(株)アートフォースジャパン)

住宅地盤の補強方法には、固化材を土壌を混ぜて硬化させたり、コンクリートや鋼製の杭を地中に埋めて建物を支えるなどの方法があります。木杭も古くからの地盤補強方法の一つで、歴史は古く、日本でも江戸時代には橋梁やお城の基礎に木杭が使用されてきました。地中には腐朽菌が生存するための酸素が無いので、そもそも木杭は腐朽の影響は受けにくいのですが、大正時代に建てられた日本で最初の高層ビルである東京駅前の旧丸ビル(地上8階地下1階)を支えていたのが松杭だったことには驚きました。

旧丸ビルを支えていた松杭(収蔵:三菱地所株式会社)


最近では、環境保護の観点から、木材のリサイクルや再生に力を入れることが求められていることもあり、住宅地盤の補強方法に木杭が採用されるケースが増えてきているようです。
木杭のメリットは、将来引き抜き可能であることも含めた環境保護はもちろんそうなんですが、実際に見学させてもらった感想は、施工スピード(半日)、低騒音、セメントプラント不要、固化材の飛散が無いといったような、ご近所や周辺環境への配慮が十分かつ、省スペースな点において、現代の工事現場に求められているニーズに合った方法として再認識しました。

兼松サステック(株)ホームページより


今回見学させてもらった木杭による地盤補強は、東京オリンピック会場の屋根にも採用されている木材のメーカー(兼松サステック(株))の材料と工法によるものでした。

木杭の施工動画はコチラ↓
https://youtu.be/QEuVASzUytg